残り100日の私と大好きな君
病室に戻ってからも私は憂鬱だった。

頭の中を"死"という言葉がグルグル回る

前まで死ぬのなんて怖くなかったのに、おかしいな…

奏汰くんと一緒にいる時間が増えるほど死ぬのが怖くなっていく

死にたくない…なんて思っちゃう

もう末期の癌だって言うのにね……

お医者さんは「でも奇跡的に治った人もいるからさ!!奇跡を信じて頑張ろう!!」

って

そんな、頻繁に起きてたら奇跡って言わないよね?

奇跡っていうのは稀にしか起こらないもの……

私にはそのチャンスさえあるかもわからないのに、なんでそんなこと言うんだろう

もう、私の内臓は壊れはじめている

透析をしているのは、もうほぼ腎臓が機能していないから。

最初はそこに出来た悪いものが、今では体中に広がって、私を蝕んでいく。

どんどん出来ることが減って

苦しいことが増えて

最後には死ぬ

………………なんで、私なんだろう

そんなこと言ったって病気は治らない

いくら愚痴を言ったって、いくら励ましてもらったって

結局はなんにもならないんだよ






















それならせめて最後くらい
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