残り100日の私と大好きな君
私は、バレないように点滴を抜いた。

そして、若干ふらつくけど、何とかベッドから降りて病室を出る。

「あれ、咲楽ちゃんどうしたの?」

カーテンが閉まったベッドから気付いた奏汰くんが声をかけてくれるけど、私はそれを無視して歩き続ける。

ナースステーションがない方のエレベーターを使って屋上に向かう。

屋上に着くのは案外すぐで、久しぶりに外の風を感じる。

私はゆっくり柵に近付いて柵を乗り越えた。

下はコンクリートの地面。

ここから落ちたら、楽に…なれるよね……



…………ごめん、奏汰くん

ずっと、ずっと大好きだったよ…

奏汰くんとは、離れたくなかったな……









ばいばい
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