四季
四季3
21


冬真 side

ここ最近、一人の女の子がオレについてくる。その子は、月詠暦と言う。
今日は、金曜日。学校が終わったのでオレはここ、姉さんの墓に来た。
「今日もオレをつけて何が楽しい?」
「……」
「何か用があるのか?」
かすかに頷く暦。
「じゃ、早くしてくれよ」
「……」
「黙っていたらわからないだろ」
少し語気を荒げてしまった。
「あなたは、望む?」
「は?」
「あなたは、幸せを望む? それとも不幸を望む?」
「幸せに……決まってる」
「……」
「それがどうした?」
「……これ……」
暦がカバンから取り出したのは一枚の写真だった。その写真はオレの嫌な記憶を呼び覚ます。
「お前、嫌がらせか?」
「良く見て……車のナンバー……」
!!
「お前、これ……!」
決定的証拠だった。姉さんを当て逃げした犯人。その犯人の車。オレはいてもたってもいられなくなって警察署に向かう。
「ありがとな! これ!」
「……」
暦は無表情のままだった。





警察署で例の写真を提出した。
「これをどこで!? とにかく、緊急捜査させてもらう。これでお姉さんの無念が晴らせるな。良かったな、冬真ちゃん」
「はい!」
「ゴールデンウィーク明け頃にいいニュースを届けるよ」
「よろしくお願いします!」
オレは謎の少女暦に感謝した。


End





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