【完】『雪の都』

《4》


薫のオカンの葬儀やら納骨だのが終わる頃には、すっかり札幌は雪が消え初めていた。

しばらく休んでいたステンドグラスの製作も佳境に入って、

「これなら出品、間に合いそうですね」

と後任の高橋先生にも薫はお墨付きを得て、毎週の製作に励むようになっていた。

「なんか打ち込んでないと変になりそうであかん」

薫はわざわざ忙しくすることで気をまぎらわすようにしていた。

桜子はすっかり薫のマネージャーのような状態になり、

「薫さん、搬入の月曜日はスケジュール空けといてね」

と管理をするようになっていた。



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