【完】『雪の都』

しかし理事というにはメガネの奥のくっきりした目は鋭く、

「なんやねんそれ」

などと時折突っ込む調子は芸人のようでもあり、しかし笑うと顔をくしゃくしゃにして思い切り笑う。

たまに桜子がとんちんかんな答えを返すと、

「あかん、力入らへん」

などと笑いこける。

それが失業中の桜子には、なぜか眩しく映った。



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