【完】『雪の都』

《5》


翌朝。

薫は目覚めた。

隣では下着もまとわない姿の桜子が、すやすやと寝息を立てて熟睡している。

「…うち何してるんやろか」

あのあと結局、背後から抱き締めた桜子にせがまれてキスをしたりしているうち、こういう結果になってしまったのであるが、

「本心は分からん」

というのが薫の偽らざるところで、我が身をどうしたらよいものか、もて余してしまっている心持ちもないではなかった。



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