囚われの雑草姫と美麗冷酷男子の生活
甘い生活
パーティーで思いを確かめ合い
何だかフワフワした気持ちで帰宅する

(ホントに?この美麗男子が私を好き?)

まだ実感できていなかったけれど

帰りの車から左東さんにからかわれるほどに
彰貴さんか私をしっかりと抱きしめて離さず

車から降りるのも一人では歩かせて貰えないほどだった

「彰貴様、溺愛ですね……それでは那寿奈さんが歩けませんよ…」

「歩かなくていい、もう脚も痛いだろうから」

そう言っていわゆるお姫様抱っこをされたまま家に入りソファーに下ろされた

「ただいま…」

「おかえりなさい…」

「はぁぁ…やっと独り占め出来た…」

彰貴さんは私をぎゅっと抱きしめたあと、後頭部を押さえるといきなり唇を押し当ててキスをする

「…んっ……ふ…」

柔らかく啄むようなキスから少しずつ深まって
薄く開いた唇から入り、絡めとるように動き回る舌を夢中で追いかける

名残惜しそうに離したあとは何となく漂う雰囲気に二人とも照れてしまう…

「…母も父も左東も那寿奈と話したりしてオレから引き離すから……」

「だってパーティーですよ?」

まさかずっと彰貴さんを私が独占するわけにはいかない

本当は逆だ、出席者の誰もが彰貴さんと話したくて列を成していて…私なんかが話せる状態じゃなかったのだ

「まぁ…そうなんだけど…な」

甘い雰囲気に戸惑っていたこともあるし、
長時間のフルメイクのせいかかなり汗もかいていて

彰貴さんにシャワーをしたいと伝えると
徐に抱き上げられて一階のバスルームの脱衣所でドレスの後ろのジッパーを引き下ろされた

「ぎゃっ!」

「な、何だ?…一人じゃ脱げないから手伝っただけだ……お湯も張ってあるし、中の物は自由に使って良いから、ゆっくり入っておいで」

(び、びっくりした…)

「はい」

そのまま中途半端に止まるドレスを身体に抱き抱えていると彰貴さんは扉から出ていった

(し、紳士……)

そのまま初めて彰貴さんのいつも使うバスルームを借りた







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