誓いのキスを何度でも
授業が始まり、
たくさんの保護者達が教室の後ろに入ってきたみたいだ。

僕も、後ろを向いて確認すると、果歩はカジュアルなカーキ色のワンピース姿で、
サクちゃんはこの間、果歩が選んで一緒に買ったシャツと紺色のセーターにチノパンを身につけている。

部屋着以外は持っている服はスポーツブランドのウエアや高そうなスーツなので、目立つからやめて。と果歩が言って上品でカジュアルな洋服屋に出かけて揃えたのだ。

デパートなんかで売ってるヤツ。
果歩と店員の勧めるままに購入していた。
あまりオシャレという訳ではなさそうだけど…

まあ、背が高いサクちゃんは結構目立つ。
顔もカッコいい系なので、振り返ってみる女の人もいたりする。

まあ、どこにいても、サクちゃんは果歩の顔をデレデレと覗いて機嫌良さそうにしているので、女の人達はすぐにため息と共に通りすぎていくけれど…。

今日も、サクちゃんは僕に手を振ったあと、果歩の顔を甘い笑顔で覗きこんでいる。

僕は少し呆れて前を向き、
先生の話を聞くことにした。







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