幾千夜、花が散るとも
 このさき十也に待ち受けるもの。
 今はいない千也のこと。法律上の父親って定義。

 でもね。あたしは知ってる。
 愛されてさえいれば。ひとは曲がらずに生きていける。
 愛はね、すべてなんだよ。

 十也は、あたしと千也と一也の愛情で出来てる。
 あたしは千也と一也の愛情で出来てる。
 これからももっともっとその愛で育つよ。
 どこにいたって。
 千也はあたし達を愛してくれてるから。

 “大丈夫”。

 パパがいつもくれるお守りの言葉を十也にもあげるね。





「次は俺の子だよ」

 病室に顔を出した一也が涼しそうにベッドの上のあたしを覗く。

「年子で近いほうが絶対いい。俺と可南みたいに」

 相変わらずの綺麗な顔が寄ってきてキスが落ちた。
 
「退院したら覚悟しといて、可南」

 王子サマならぬ悪魔の微笑。でもまあ千也を4人で迎えるのもいいいかも。賑やかに。
 
「お手柔らかにね」

 あたしは観念したようにクスクスと笑いを零した。 





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