【BL】カキツバタ
杜若。



気付いたときには、君が好きだった。



三つ離れた僕の兄弟。


君が生まれた瞬間から、
僕はずっと君と居てーー


笑う顔も、泣く顔も、困った顔も、怒る顔も、


全部知ってる。


僕が先を行けば、君はその後をついてくる。


それは自然なことで、僕はこの先もずっと前を見て歩いていかなきゃならなかったのに。



ごめんね、間違えちゃったのは僕なんだ。


振り返って、君を見て、言い掛けた言葉がある。


けれど、それは伝えられず、飲み込んで、胸にしまった。


高校一年の秋から、今までの五年間……


それは今でも胸の中。


伝えることも出来ないくせに、どうしてこの想いは大きくなっていくんだろう。



好きになってはいけない、と何度も繰り返し呟くのに…
胸の想いは増す一方で。


男同士なのに、お兄ちゃんなのにって世間様の声もちゃんと分かっているはずなのに。




君より他の誰かを好きになんてなれなくて……

だめなお兄ちゃんで、ごめんなさい。

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