天神学園のお忍びな面々
「いい質問なのですわっ」

感服したように、エレナが、んふー、とか鼻息荒くする。

「白雪っ、教えておやりなさいなっ」

「……………………え」

私?とばかりに、同じく傍に座っていた白雪が目をしばたたく。

「…………えと…………バレンタイン…………それは…………」

やや沈黙の後。

「…………………………愛」

言ったきり、ぼしゅう、と頭から湯気を上げてフリーズする白雪。

「白雪はしばらく使い物にならないポンコツなのでっ、私が補足説明致しますわっ」

白雪を押し退けて座るエレナ。

白雪は、ぽて、と横に転がる。

「年に一度、想いを寄せる殿方に婦女子から愛の告白をする事を許された日!それこそがバレンタイン!」

「まあ、文明開化ですね!」

「そう!大正浪漫ですわっ!」

噛み合っていない美緒とエレナ。

< 172 / 760 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop