天神学園のお忍びな面々
「黒い着衣は、闇の眷属の礼装。陽の象徴のような天神学園で、貴様がそれを着るとはどういう事だ」

「ダンドリッジ教諭の言葉のままだ」

臆する事なく、先輩はダンドリッジに言ってのける。

「礼装なのだろう?だから着ている」

「……」

闇の眷属の着る礼装とは即ち、闇の眷属が闇の眷属として行動するという証。

死神然り、吸血鬼然り、悪魔然り。

黒衣を着用した闇の眷属は、死を匂わせる。

「天神学園は命のやり取りを禁ず。それを貴様…」

インバネスコートの内側の得物に手を掛けようとするダンドリッジ。

それを制するように。

「抑えられると思うか?」

先輩は言った。

「3つもの性(サガ)が、俺の内で鬩ぎ合っているんだ…抑えられる筈があるまい」

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