天神学園のお忍びな面々
夕闇迫る校舎の廊下。

「美緒様」

甲斐が、美緒の執務の終了を待ってくれていた。

体中に擦り傷。

相変わらず、待ち時間は白雪のいる森で修行に励んでいるらしい。

体を壊す、と心配している彼の方が、余程体を壊しそうだが。

「本日もお疲れ様でした、美緒様。帰りは夕食の買い物に寄られますか?」

「うん、冷蔵庫が空っぽだったもんね。甲斐君、今夜は何を食べたい?」

「美緒様のご気分に合わせます」

そんな新婚のような、主従関係のような会話を交わしていた美緒は。

「…!…美緒様!」

甲斐の鋭い声に、一気に緊張を強いられる。

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