天神学園のお忍びな面々
「いいですかっ、ディア」

エレナはディアに向き直る。

「私はディアが好きですっ、リュークも好きですっ、好きな2人が交際するとなると、どんなに幸せな事でしょうっ、ましてやリュークは貴女に好意を抱いているっ、何ら問題はないではありませんかっ」

「そこにエレナさんの気持ちが計算に入っていないのは何故ですか?」

「リュークが好きなのは貴女だからですっ」

「……私ちょっと、リュークに話をしてきます」

席を立とうとするディアに。

「お止しなさいっ!」

エレナは鋭く叫んだ。

「…わかってもらえませんかっ、ディア。私は好き合う者同士が交際するのが、一番だと思うのですっ」

「それは、リュークの気持ちを優先しただけではないんですか?エレナさんの気持ちが全く考えられていません」

「…私はいいのですっ」

「私はエレナさんが、こっそり悲しくて泣いたりしているのは嫌です!」

話は、平行線を辿る。

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