天神学園のお忍びな面々
他愛ない話をしながら、通学路を歩く。

その道中。

「よぉオパーイちゃん、おっす」

リューク達は夕城流の面々と合流する。

夕城三人衆に、道すがら一緒になったエレナ。

エレナは無言のまま、リュークの傍らに立つディアを見る。

「あっ、エ、エレナさん、これはっ…」

僅かばかり狼狽するディアだったが。

「……」

沈黙の後、エレナは鮮やかに微笑む。

「仲良き事は美しきかな、ですっ」

気負いもなく、無理をしている風でもない自然な言葉。

エレナが望んでいた理想の形。

多少胸がチクチクしないでもないが、それも何れは消えていく。

もう少し、リュークが堅苦しさなく笑っていればよいと思うのだが、あの朴念仁に最初からそれを望むのは無理というもの。

まずはこれで良しとしようではないか。

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