天神学園のお忍びな面々
「それで奥方様、本日はどのようなご用件で?」

エレナが無礼なマモルの顔をムギュッと手で押し退けながら言う。

「エレナ、今日は夕城邸は焼肉パーティーなんだよ」

肉大好き蘭丸が、八重歯を覗かせながら言う。

肉という肉は、この俺の八重歯が噛み千切ってやるぜ!

奴の赤い瞳はそう訴えている。

「焼肉…それはよろしいですわね、大勢で食べると賑わいますし。何かお祝い事ですの?」

すっ惚けた事を言うエレナに。

「エレナちんとマモル君のだよぉ」

紫陽花は肩からエレナに体当たりした。

「マモル君と許婚なんだってぇ?おめでとぉ~」

「い、いえこれは、父が勝手に決めた事でありまし「有り難うございます奥方!」

言い訳途中のエレナに、マモルが被せる。

「いやあ、いいねぇ許婚!私みたいに真太郎君に猛烈アタックの末の結婚っていうのもいいけど、そういう運命に結ばれた2人っていうのもいいよねえ」

「何処が運命ですの!結んだのは父ですの!」

「豆ちん!」

エレナの言い分も無視して、豆柴を呼ぶ紫陽花。

「はいです!ここにです!」

くノ一らしく、シュタッ!とか片膝ついて紫陽花の傍に現れる豆柴。

「縁側にバーベキューセットとか何とか色々準備してぇ。今夜は焼肉だよぉ、いっぱい肉用意してぇ」

「はいです!それがくノ一の務めなればです!」

くノ一ってより家政婦さん的じゃね?

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