天神学園のお忍びな面々
「つきましては美緒様!」

その場に片膝をつく甲斐。

「俺は先輩を超える強さを身に付ける為、美緒様の御用がない時は稽古に勤しみたく存じます!どうかこの甲斐めの我儘、聞き入れては頂けませんでしょうか?」

『聞き入れては頂けませんでしょうか?』とは言っているが、無理をしてでも稽古に勤しむ気満々の目の輝きだ。

許可を得るのも形式上のものであり、どうせ駄目って言ってもやるに違いない。

その、目を輝かせる子供のような甲斐を、美緒は可愛らしいとさえ思う。

「……いいよ」

美緒はクスッと笑った。

「3つ程守ってね?1つ、大怪我するほど無茶な稽古はしない事、2つ、私の護衛もきちんとする事、3つ、夕飯の時はちゃんと付き合って?私、1人でご飯食べるの寂しくて嫌だから」

「御意に!では!」

走り去ろうとした甲斐を。

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