天神学園のお忍びな面々
「そう言えば坊」

黙々と前進していた椿が、突如口を開く。

「土用の丑の日ってあったよね」

「奇遇だな、俺も同じ事を考えていた」

頷く牡丹。

後続の面々は、唐突な会話に不思議そうな顔をする。

「あれを食べる日だよね、丑の日って」

「ああ、長くて太いアレだな」

「精が付くんだよね」

「うむ、暑い夏を乗り切るには欠かせぬそうだ」

「何の話かな…」

「鰻の事です、こちらの世界では蒲焼にして食べるそうです」 

ヒソヒソと話すテリアと豆柴の前に。

「よく知っているな、豆柴」

牡丹はブラリと吊るして見せた。

「後で捌いてやろう。生き血も精が付くぞ」

「「~~~~~~っっっっ!」」

牡丹、それ蝮。

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