天神学園のお忍びな面々
「よっしゃ、そんじゃ」

ポケットからスマホを取り出し、自撮り。

「『辻斬りなう』…っと。後でインスタにアップすっか」

そんな独り言を言いつつ、蘭丸は再びポケットにスマホを入れ、振り向いた。

…頼りない月明かりの中、暗闇に男が立っている。

黒髪を後頭部で束ねた、褐色の肌の男。

袖がない黒色の道着を身に纏っており、帯代わりに荒縄で縛っている。

「はて」

蘭丸は顎に手をやった。

「俺とタメ張る日焼け具合だが…アンタそんなに肌黒かったっけか?」

「……」

「それにアンタ、道着は白だって聞いてたんだがなあ…先輩さん?」

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