One Night Lover
遊びと営み
竜は華乃が去り、寂しさを感じながらも仕事に追われていた。

あれから菜那とは一度も会えてない。

竜自体も菜那に逢いに行く回数が減った。

自分と逢うことで聖司の執着が酷くなる気がしたからだ。

菜那は相変わらず、身体に痣を作って
日々を過ごしていた。

最近、聖司は仕事で失敗して部署を異動になり
その鬱憤を時々菜那にぶつけた。

ある夜、酔って帰ってきた聖司に起こされて
いきなり頰を叩かれた。

「お前、竜と会ってるんだろ?
俺が汗水流して会社で嫌な思いさせられてる間、
竜と逢ってアイツに抱かれて
俺の悪口でも言ってんだろ?」

菜那はもう抵抗する力もない。

ただ聖司の気が済むのを待って
痛みに耐えるだけだ。

心はもうずっと前にどこかに無くしてしまった。

嵐が過ぎ去って隣でイビキをかいて寝ている聖司を見ると殺意に近いものが生まれるが
菜那はそれを自分に向けた。

「もう疲れた。」

そう言って菜那はバスルームで手首を切った。

喉が渇いて起きた聖司が気がついて
驚いて救急車を呼んだ。

一命はとりとめたが、
聖司のDVが明るみに出た。

退院後、聖司は菜那と引き離された。

菜那は同じような女性たちが集まる施設に入り、聖司は菜那と逢うことを止められた。

聖司は仕事辞めて、
お酒に頼り、現実から逃避した。

そしてついに聖司は竜に連絡してきた。

「助けてくれよ。全部お前のせいなんだ。」

竜は聖司に逢いに行き、
家の中を見て天地がひっくり返るほどの衝撃を受けた。

壮絶な暴力の跡がいくつも残り、
菜那の姿は消えていた。

酒の瓶がいくつも転がり、足の踏み場も無かった。

竜は聖司を病院に入れた。

とりあえず、お酒を飲まない生活が戻ってきて
聖司は少しずつ回復していった。

そして菜那の施設を訪れた。

菜那は当初面会を拒否していたが
何度も通ってくる竜に申し訳なくて
ようやく姿を見せた。


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