嫌い。だけど好き。
バチンッ・・・

気持ちのいいくらい、綺麗な音がでた。
私は・・・有栖川さんの頬に手を叩いた。

「なっ・・・!」
横にいる お父様が驚いた顔をする。
でも、私には そんな事 どうでもよかった。
有栖川さんは 頬に手を当てている。

「ねぇ・・・あなたに相応しい振る舞いって何?あなたに相応しいって何?」
怒りで声が震えてしまう。

「私は!あなた なんかと結婚したくない!ずっとずっと言いませんでしたが!
私は あなたみたいな人は大っ嫌い。
ナルシストで、自分大好きで、家や金の事にしか興味はない。
その点、自分の物と思っているものが他の人と接していると嫉妬する」

「あなたみたいな人はね!
そこらへんの 鏡とでも結婚したら!?
自分勝手で汚らしい!
初対面で勝手に『結愛』って呼び捨てにして!?あなたのどこに品があるの!?
庶民かもしれないけれど、気を使って『結愛さん』と呼ぶ 晃哉君の方が、ずっとずーっと素敵だわ!」

最後の最後まで言い終わると、私は次に お父様に声を向けた。

「お父様・・・。役立たずな娘で すみませんでした。でも、私は家系のために自分の人生を左右されたくありません。」

お父様も驚いた表情を浮かべる。

「私・・・私は一条の名を捨てます」
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