嫌い。だけど好き。

「ごめんね~君は なんにも悪くないのに」
またしても気味悪く ニヤァと笑い、
私の耳元で言う スーツの男。

「結愛さん!」
ヤンキー達を倒し終わった晃哉君が私達に気づいた。

「来るな!!!」
スーツ男が声を荒らげる。
私・・・殺されちゃうの?
そんなの嫌!死にたくない。

さっきで 解けかかった紐を取り、
私は スーツの男の手を掴んだ。

私も伊達にお嬢様じゃない。
小さい頃から護身術くらには身につけていた。
強く掴んだ手からナイフを取り、
スーツの男を肩から前に倒した。

うぎゃぁ!・・・と情けない声を出しながら前に倒れるスーツの男。

「結愛さん ナイス!」

「へへへっ」
こんな大変な時なのに晃哉君がいてくれると そんなに怖くもない。
私は 晃哉君が近くにいると無敵かもしれない。

「っいってーなぁぁぁぁ!!!!・・・そんなに甘くは ねぇんだよ!」
私と晃哉君の間に倒れていたスーツの男。
急に立ち上がり、ナイフを持って私に走ってきた。
恐怖で瞬間、声が出なかった。
咄嗟に体が動かなくなり、目を瞑った。
さ、刺される・・・!!!!

「結愛さ・・・!」
晃哉君の声が聞こえた。
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