嫌い。だけど好き。
あれ・・・?ここは?
真っ暗な所。限界がないような広すぎる闇。
怖い・・・寒い。私は どこにいるの?
よく見ると、遠くに背中が見える。
晃哉君だ・・・・・!!!!

晃哉君・・・。晃哉君・・・!行かないで!
私は ここだよ。・・・助けて・・・。


「晃哉君・・・!!!!」
ハッと目が覚めた。晃哉君がどこかへ行ってしまうような気がして・・・。
思わず叫んでしまった。

「なに?」
私が もたれて寝ていたのは晃哉君のベットだった。
晃哉君は・・・ニカッと笑いながら答えた。
瞬間、涙が溢れる・・・。

「こ、こう、こうや くん・・・。
ひっく・・・よかったぁ~ ふっ・・・う~」

「いてててて!」
晃哉君が 痛そうにいった。
私は・・・晃哉君の手を握りながら寝てしまったらしい。包帯で厚く巻かれた 晃哉君の両手。
涙が溢れた時、晃哉君の手を ぎゅーっと強く握ってしまった。

「す、すみません!」
涙も止まる。

「結愛さんは?怪我 ねぇ?」

「う、うん!晃哉君が助けてくれたから」
最初は怪訝そうな顔をしていたけれど、私の返事を聞いたら 安心したような表情をした晃哉君。

「もう9時なんだけどなぁ~
お嬢様も寝坊するんだな!」

晃哉君が傍にいたからですよ。
夢なんて・・・久しぶりに見た。
いい夢ではなかったけれど。

よかった・・・。本当に。
晃哉君が生きていてくれて。
私は晃哉君が いなくなってしまったら・・・
心臓が止まる思いだった。

私は・・・あれから一晩中、晃哉君の傍にいた。晃哉君の手を握りながら・・・。
晃哉君の目が覚めるまで 起きてようと思ってたんだけど、寝てしまったみたい。

コンコン・・・ガラガラ・・・。
晃哉君の病室に入ってきたのは
ネクタイを きっちりしめたスーツの2人の男と・・・お父様、お母様だった。
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