嫌い。だけど好き。
第11章
晃哉君・・・今なんて。

「好き!」
さっきより はっきりとした声で言う晃哉君。

晃哉君に視線を向ける前に、私の見ている夜景がボヤけた。

・・・涙のせいだ。


「あ!ごめん!嫌だったよな・・・」


「ちがいます!嬉しくて」


・・・あ。観覧車・・・もう着いちゃった。


「はーい!おつかれさ・・・」


「あの!もう1週!」

スタッフさんが開けるドアを晃哉君が閉めた。私の心を見透かすように。

私は・・・窓から目を離せない。


「結愛、こっち向いて」
私の肩をイスに座らせる晃哉君。


「俺、結愛が好き」

「・・・ふっ、う・・・ふぇ」

「な、泣くなよ~」
私の涙を細い指で拭ってくれる晃哉君。


「私も・・・。私も晃哉君が好きです!」
涙でグチャグチャな顔をしているかもしれない。けれど、そんな事どうでもいい。


・・・あなたが大好きです。
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