この恋が実るなら
【南谷寧々side】

恋ってなんだっけ

「山口くん、これ。やり直し。」


私は、南谷寧々。
小さなWebデザインとSEOケアなんかが主な業務の会社に勤めて8年目。
チームリーダーとして、しっかり中堅の立ち位置になってしまった。


入社した頃は、そのうち寿退社なんかするのかな〜と思っていたのに。


知らない間に、男性社員も率いるお局になってしまうとは…。
誤算。


「寧々さん。すいません、いつも。」


「もう。またこの前と同じミスだよ！山口くんももう4年目なんだから、そろそろ私のリチェックなしでも課長に出せるようにしてね。」

ふわふわした髪を指先で触りながら、申し訳なさそうにペコリとお辞儀する彼は山口康太。

大学卒業して新卒でうちに入って、私のチームメンバーとしてWebデザインを担当してる。
年は２つ下だけど、私は2年の専門卒で入ってるから、社歴としては4年後輩になる。
真面目な頑張り屋さんなんだけどね。
ちょっと頼りないのだ。


「あれ、また寧々さん直しのポイント付箋してくれてるんですか。ホント、いつもありがとうございます。」


「早く山口くんが同じ事を後輩にやってあげれるようになってよね。」


「ハイ、頑張ります。。」


なんとなく、落ち込んだように見える。
ちょっと言いすぎちゃったかな。
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