恋は盲目、愛は永遠
プロローグ 過去生の私
むかーしむかし、その昔、私は魔女と呼ばれていた・・・・・・。



森の中にある小屋で、私はひっそりと暮らしていた。
木の実を食べ、草花から色を採り、ハーブから薬を作る。

話し相手は、森の動物や妖精たちだ。
多くの人間は妖精が見えないと言っているけど、それは少し違う。
妖精は、木や水といった自然のエレメントがあるところに住んでいる。
人間が暮らす村や町にも然り。
ただ人見知りの彼らは、人が多い場所へ姿を現したくない。それだけだ。
だから普段滅多に人が来ないこの森は、妖精の住みかとなっている。

妖精が見えたり話ができるからといって、私は魔女ではない。
れっきとした人間だ。
人を殺すような呪文も、薬の作り方も、私は知らない。
ただの自然と植物が大好きな、森に住む女。


だから私は、世間で言われているような魔女ではない。決して。
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