恋は盲目、愛は永遠
日課とはいえ、何時に行こうとは決めていない。
二人の気が向いたときに外へ出る。

鈴太郎さんは、森にある植物の名前を私に教えてくれる。
見るもの全ての名前を言える鈴太郎さんは、かなりの博識者だ。

「鈴太郎さんって何でも知ってますね」
「昔医学、というより薬学と言うべきか。いや、薬草に興味があってな。ここに来たときは、いつも植物図鑑片手に森の中をうろついていた。これが種明かしだ」
「へぇ。それで鈴太郎さんは今でもお屋敷の温室でハーブを育てられているんですか」
「ああ。昔より興味は失せたが・・・その知識はいつか役に立つかもしれん」
「なるほど・・・」

二人しかいないせいか、私たちはいろいろ話をした。

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