恋は盲目、愛は永遠
もし誰かとおつき合いしたことがあった上で鈴太郎さんと出会っていたら。
誰かに恋したことがあったら。
鈴太郎さんへの気持ちがハッキリ分かったかもしれない。

私は鈴太郎さんに惹かれている。
好きだと思う。
鈴太郎さんの優しさや、思いやり溢れる面に。

もし鈴太郎さんが、私を強引に屋敷に連れて来なくて、強引に結婚までさせないで、おつき合いから始めていたら・・・。
少しずつお互いのことを知っていったら・・・。

私たちは一体どうなっていたんだろう。

そんなことを考えても仕方がないんだけど、あの人に言われたことが真っ向から否定できない。
だから考えてしまって、答えは出ずに堂々巡りを繰り返している。

こんなこと、鈴太郎さんにはもちろん、屋敷の人にも言えない。
両親にも。
友だちと呼べる人は・・・今の私にはいない。
と思ったら、目から涙が溢れてきた。

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