恋は盲目、愛は永遠
「体はきつくないか?唯子」
「大丈夫です。それより鈴太郎さんのほうが心配です」
「この私のことがか?」
「はい。鈴太郎さん、北欧出張から帰って3日後にはアメリカ、そして今はアイルランドへ向かってるんですよ。それに機内ではずっとお仕事してるし」
「すまない。唯子に構う時間がなかなか取れなくて・・・」
「そうじゃないんです!私は鈴太郎さんのお体のことが心配なんです!」
「私なら大丈夫だ。いつもこの調子だからな。おまけに今回は唯子とともに行動している。そう簡単に腹上死はしないぞ」
「だっ!やっ!こんなところで・・・いわないでくださいっ!!」と私が顔を真っ赤にしながら言うと、鈴太郎さんはククッと笑った。

「眠かったら寝ていいぞ。私の膝を枕にして」
「そ、そそ、そんなことしたら、鈴太郎さんパソコンが使えないでしょ!」
「使えないことはない。使いづらいだけだ」
「どっちにしても、鈴太郎さんの仕事の邪魔になることはしたくないです」
「では隣のシートで眠るか?」
「・・・はい。では少しだけ眠らせてください」と私は言うと、鈴太郎さんの案内で数歩移動し、隣のシートを倒してもらってできたベッドで眠った。
< 276 / 298 >

この作品をシェア

pagetop