恋は盲目、愛は永遠
「唯子。ご両親に挨拶を」
「・・・え?」
「今から私たちは家に帰る」
「えっ?家って・・・」

「私たちが暮らす家だ」

あぁ・・・なる、ほど。
言われてみれば・・・結婚するんだし。

「あ、あの、では荷作りを・・・」
「必要なものは屋敷に揃えてある」
「あ・・・でしたらめがねケースだけ、取りに行ってもいいですか?」
「分かった」と鈴太郎さんに言われて、私はダッと階段を駆け上がった。

部屋に入り、パタンとドアを閉じて、部屋を見渡した。
今朝目を覚ました部屋を、今から使うことはなくなるんだ・・・。
私はスタスタと歩いて、机の引き出しからめがねケースを取り出した。

さようなら。今までありがとう。
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