俺がプロデュース
俺がプロデュース第1章
私は、普通のサラリーマン。
35歳の男性です。

これから、話す内容は全て実話です。

35歳の秋頃です。日頃の仕事のストレスでイライラしてたので、黙って愚痴を聞いてくれる人いないか友人に相談したら、〇〇アプリを教えてもらいました。

そのアプリは、誰もが知っている有名なアプリで、全く知らない男女が無料通話で話出来るアプリです。

試しにやってみよう思いアプリを起動させました。
今思えば、日頃こういうアプリはやらないので、この時点で彼と出会う運命だったのです。

私は、友人から教わった通りにアプリをやりました。

プププ…

「もしもし……」

俺「もしもし!よかった……」

ブチ…

最初の電話は、いきなり切られてしまいました。

俺「つめたぁー……無言で切られたよ……


元々、あまりこういうアプリは好きでは無いので。
次で切られたら辞めようと思ってました。

「ラストにしよ……無言だけは勘弁して…」
タバコに火をつけて、一服しながら再度チャレンジしました。


プププ…

「もしもし……」

電話から聞こえてきたのは、若い男の子の声でした。

俺「もしもし!……あの良かったら話しません??」

「はい……大丈夫ですよ」

彼の声は、小さく大人しそうな少年のイメージでした。

私は、とりあえず愚痴を言うだけなので、誰でもいいやという気持ちでした。

俺「仕事でさぁ……色々あってね。……


彼は、返事するだけで黙って私の愚痴を聞いてくれました。

彼「社会人って色々と大変なんですね……まぁ、頑張ってください。」

彼からの言葉は、正直言うと適当な返事にしか聞こえてきませんでした。

私は、この適当な返事で学生さんだと思い質問してみました。

俺「今いくつ?学生??」

彼「はい。16歳です。」

やはり学生かぁ。
まぁ、自分の話を聞いても頑張ってください。しか言えなくてもしょうがないと思いました。

俺「学生かぁ……懐かしいな。君は、何か愚痴はあるの??」


まぁー、正直に言うと何を話せばいいかわからなかったので。とりあえず、愚痴を聞いてもらったから、自分も愚痴を聞いてあげようと思いました。

彼「愚痴ですか…」

俺「無いならいいよー。無理に話さなくて!じゃあ切るよー」

私は、電話を切ろうと画面を見つめました

そしたら、その画面から小さな声で

彼「あのぉー……」

ん??

何か言った様に聞こえたので私は、慌てて携帯を耳に当てました。

俺「もしもし?どうした??」

彼「あのぉ……愚痴と言うか……相談がありまして…」

私は、愚痴を聞いてもらったので話を聞くぐらいならと思って返事しました。

俺「いいよ!でも、答えを出せるか分からないけど、聞くぐらいなら出来るから話してみて!」

彼「はい。」

俺「っで?相談内容は?」

彼「実は……今の…同じく…できない…」

彼の声は本当に自信のない小さい声で聞き取りづらく、少しイラッと来てしまいました。

俺「あー!!もう!!あのな!!聞こえないんだよ!ハッキリいいなよ!相談あるんだろ!!」

彼「はい。すみません……」

俺「男ならハッキリ言いなよ!」

私は、イライラしながらまた煙草に火をつけました。

そしたら、突然彼は大声で

彼「僕は!!彼女とデートしたいんです!!どうすればいいかわかりません!!教えて下さい!!!!!」

突然の怒鳴り声でした。彼も興奮してました。携帯から息の雑音が聞こえてました。

私は、突然の怒鳴り声でビックリして。煙草の煙でむせてました。

ゴホッゴホッゴホッ!

彼「大丈夫ですか?煙草吸ってるんですか?さっきライターのカチッて音が聞こえましたから……」

俺「……ゴホッ……あー吸ってる……ゴホッ……」

彼「身体に合わないなら辞めた方がいいですよ!そんなに咳して……身体に毒です。」

私は大きく息を吸って彼に怒鳴りました。

俺「アホ!!!!!バカタレ!!!!いきなり怒鳴る奴いるかよ!!!!!!俺はハッキリ言えって言ったんだ!!!!!誰も怒鳴れなんて言ってないだろ!!!!!あんないきなり怒鳴ったら、誰でも咳出るわ!!!!!!」

まぁこんな感じで私も彼を怒鳴ったんですけどね……

彼「あぁー……すみません。……」

タバコを咥えながら私はいいました。

俺「まぁ……いいわ。確かに身体に良くないのわ事実だから。
そんで??彼女がなんだって??」

彼「あっ!はい。僕は、今の若い人達みたいに、彼女とデートしたり、手を繋いだり……
もちろん……他にも色々と……した事ないです。」

俺「っで??」

彼「ですから……どうすればいいのか分からなくて……教えて下さい。」

俺「つまり付き合って恋人同士みたいな事が何も出来てない!もちろん、キスやエッチもって事だろ!?」

彼「そっそっそんな!!!ハッキリ言わなくても……」

俺「だって事実なんだろ?」

彼「そうですけど……ハッキリと言いすぎます……」

俺「あっそう……じゃあキスやエッチはしなくてもいいんだな?」

彼「したいです!!!!!」

俺「…………自分でハッキリ言ってるじゃん……」

彼「……。……からかわないでくださいよ……」

なんだか、根性のないオタクと話してる感じでした。私は、勝手に彼をイメージしてました。

どうせ、彼女とか言ってるがCGとかゲームとかアイドルの事を言っているんだと思いました。

俺「ちなみに聞くけど……デートとか色々したいって言ってるけど……?現実的には無理なんだろ??」

彼「えっ?……まぁ〜無理なんですよ」

やっぱりね。
私は、確信しました。
やっぱり、彼が恋してるのは人間ではないと……。アニメとかCGだと。

俺「んー。俺って、そういうの理解出来ないんだよねー。なんて言うかぁ、触れることすら出来ない人を好きになれないって言うか……」

私は、彼に現実的に考えて欲しく、冷たい言い方をしました。

俺「触れる事も出来ない人を彼女って言うのもねぇー……」

彼「……はぁ。」

俺「それでも好きと言えるの??」

彼「好きなんです……本気なんです……笑われるかもしれませんが。」

俺「どこが好きなの?」

彼「えーと……自分が喜ぶような事を言ってくれたり……それと、仕草っていうかぁ……
とにかく、かわいいんです!」

俺「そりゃー!誰にも同じように!言ったり!同じように仕草するだろうよ!」

彼「そうなんですか!?」

俺「そりゃー!お前が選べば言うだろ!お前も、仕草や言葉を求めてるだろ?期待通りに素直に求めてる言葉や仕草をしてくれるから!嬉しいんだろ!?」

彼「まぁ…たしかに…」

俺「なぁ!?お前がね!思ってる事は何万人の男性も同じく!お前が言う彼女に対して、思ってるよー」

彼「そうなんです!?!?でも、彼女は自分と付き合ってて僕の彼女ですよ!」

俺「だから!!みんなそう言うんだよ!!!!!お前さぁ!オタクだろ!?」

彼「えぇ!?……なんで分かるんですか!?」

やっぱりオタクでした。まぁ、喋り方からして、なんとなく分かりましたけど。

俺「えっ??話してて、オタクの匂いがプンプンするわ!」

彼「オタクはダメですか?」

俺「ダメとかじゃないよ。ただオタクかなって思っただけ。」

正直、オタクの彼には。面倒だなってこの時は思ってました。

彼「何か、彼女が喜ぶ事をしてあげたいんですよ。」

俺「なんでも喜ぶだろー。お前が言う彼女ってのはスイッチ1つで決まるだろう。」

彼「スイッチ??女の人は!スイッチで決まるんですか!?」

俺「そうそう。好きな言葉を選びなよ」

彼「言葉ですか?例えば?」

俺「はぁ??そんなの書いてあるの選べよ!」

彼「あっ!雑誌とかから選べばいいかな?」

俺「つーか。なんでタメ口なの?」

彼「あぁー……すみません。…つい…」

俺「まぁ、いいや。つーかさぁ、お前が言う彼女って、そんなにハマるぐらい面白いのか?」

彼「面白いって言うか。一緒にいると楽しいです!」

俺「あぁーわかったわかった!面白いじゃなく、楽しいのね!はぃはぃ!じゃあ、俺もやってみようかな!」

彼「……?やるって何を?」

俺「お前の彼女と面白い事!」

彼「なぁ!何をする気ですか!!僕の彼女ですよ!そんな!彼女を…何をしようと!」

俺「そんな怒る事か!お前がハマる事だからさぁ。そんなに楽しいのかなって思ったから、俺もやってみたいからさ!」

彼「なにを!やろうとしてんですかぁ!
援助交際とか!悪い事しようと考えてま
すね!?」

俺「はぁ!?アホくさ!たかがゲー
ムだろ!だいたい!エンコーなんかする
かよ!!」

彼「ゲームとは!失礼な!あなたに
とっては!小さい悩みでも!僕にとって
は!本気で悩んでるんです!」

俺「ほーう!本気ですか!!じゃあさぁ!
じゃあさぁ!見せてみなよ!
お前が惚れた!本気!本気の彼女を!
見せれるか!?無理だろ!!」

彼「いいです!ムービーで!パソコンで見せますよ!カメラ機能を押して下さい!」

俺「どうすればいいんだよ!?」

彼「カメラマークを押すんですよ!ほら!
僕の顔みえます?」

携帯の画面には、オタクの顔が映りました。
まさに!オタクって感じです。メガネをかけて、少し癖のある髪。

俺「あー、見えるよー。オタクの顔がー」

彼「うるさいです。さっきからオタクオタク
って!いいから!カメラ押して下さい!」

彼に言われるがままに、カメラマークを押して、カメラ機能にしました。
俺「これ、俺の顔じゃん!」

彼「そしたら、カメラを回すようなマークを
押して!あっ!押してください!」

俺「またタメ口……はい!押した」

彼 「すみません。タメ口って言うなら!オタクと言わずに!ポンって呼んでくださいよ」

俺「ポン??ポンってウケるわ!たぬきみた
いな顔してるからか??ウケるわ」

ポン「……正解……」

俺「……。マジ……?」

ポン「……はぃ。」

俺「すまん……よく聞けば!かわいい
あだ名だよ!」

ポン「……謝らないで……余計に傷つく……


俺「……すまん。じゃあ俺のことは!ヒデっ
て呼んでくれ!」

ポン「ヒデさんですね!わかりました!
とりあえず、ちょっと待ってください


ヒデ「あぁ……わかったけど。これさぁ、
俺、カメラ回さなくよくねぇ?」

ポン「えぇ!?あっ……そうですよね。
まぁ!やり方を覚えたと思って
くださいよ!」

ポンは、パソコンで俺に彼女を見せるために、カタカタいじってました。

ヒデ「よく、パソコンできるなぁ。俺、
苦手だよ」

ポン「これぐらいしか!特技ないんですよ!
覚えちゃえば簡単ですし…
よし!出来た!これ!見てください」

そこに映し出されたのは、学校の教室。
ガヤガヤ騒がしい声が響いてる中で、1人の少女がアップで映されてた。

少女は、顔を赤くしなが照れくさそうに
カメラにむかって、言葉を発した。

少女「恥ずかしぃ〜!めっちゃ熱い!……
言うよー!
ポン‼︎大好きだよ!勉強頑張ろうね」

そこには、私も想像してない程の、可愛らしい少女が映ってました。
そして、リアルに動いてるんです!
そして、メッセージを言ってるんです!

俺「…………。」



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