漆恋を解く僕たちは。
一つ目の恋
俺はもう驚くのも忘れてゆったりとデザートを食べた。


食後の紅茶を飲みながら、昨日と同じようにゆったり過ごしていると、彼女はぴょんと立ち上がって俺の横に来た。


「それでは、タネ明かしにしましょうか。」


そう言って楽しげに笑うと、白いワンピースをふわっと広げながらその場で回った。


そうだった…!


いきなり料理が出てきた仕組みを聞けるのか!


夢なのによく出来てるよなー。


゛ポンッ゛


またあの音がして目の前には一冊の本が出てきた。


゛ポンッポンッポンッ……゛


ぬいぐるみ、花束、また本、…彼女の足元には次から次に色んなものが出てきた。


「私、何でも欲しいものが出せるんですよ。それから1番素敵な力は…」


そこまで言うと彼女は目を瞑った。


俺もつられてつい目を瞑る。


「―――ネモフィラの花畑になれ――――!」


彼女がそうつぶやくと、一瞬ふわっと風が通り過ぎた。


目を開けると、一面に小さな青い花が咲き乱れていた。



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