影と闇
だって中学時代から趣味嗜好が似ていたし、そのときのミカはツッコミを入れるほうではなかったし。


ガクッとうなだれるが、すぐにミカの次の言葉がやってきた。


「ふふっ。まぁ、そういうところが変わってないのも茅乃の魅力だけどね」


魅力、か。


他の人のことを考えてあまり深入りしない私の性格が魅力なんて。


性格が魅力だと言われたのははじめてだ。


心の中でありがとうとつぶやきながら、顔をあげてミカと視線を合わせる。


さっき見せた真剣な表情が嘘だったかのような、黒い影を感じさせない純粋な笑顔が目に映り、それがまぶしく感じる。


真っ暗な闇を照らす、ひとすじのまぶしい光が差し込んだみたい。


今のミカは、私を明るく照らす太陽だ。


「じゃあ、明日からは?」


そう思ったとき突然出てきたそんな言葉。


あまりにも突然の発言に、目をしばたたかせる。


性格が魅力だという話からイメチェンの話という展開にうまくついていけない。


「明日?」


「うん。明日、学校あるでしょ? そのときにイメチェンして登校すれば、みんなにとっていいサプライズになるよ!」


ミカの言う“みんな”というのがクラスメイト全員を指していることはわかった。


だけど、それだけで明日やろうという気にはなれなかった。
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