影と闇
そう思うと、沖田くんに嫉妬しちゃいそうだな。


心の中でぶつぶつとつぶやく私をスルーして、蘭子が末那の胸ぐらを勢いよく掴んだ。


たぶん、私に怒りをぶつけた末那の言葉にイラッとしたのだろう。


「うるせぇ。ヤマンバは黙ってろよ。お前みたいな見た目の言うこと、誰が聞くかよ」


行動のわりに、蘭子の口調は落ち着いていた。


チラッと蘭子の表情を見て、末那への怒りを感じてはいないとすぐに思った。


末那の胸ぐらを掴んでいる蘭子の顔が、狂気に満ちているから。


さすがの私でも、今の蘭子の表情は、鬼のような形相で私を睨む末那の表情よりも怖いと感じてしまう。
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