影と闇

修学旅行計画


5月下旬に差しかかったある日。


教室ではザワザワとクラスメイトが話していた。


5限の授業が終わったあと教室で待ってほしいと担任の先生に言われたため、その理由がなんなんだと話しているのだ。


私の右隣に座っている子が、前の席にいる子に話しかけるのが見えた。


「6限ってなにするんだろうねー」


「先生は総合的な学習をするって言ってたけど、この時期にしてはまだ早くない?」


「それはまだ早いでしょ。総合的な学習をするのは3年生に進級してからじゃないの」


「だよね。進路のこととかは3年生になってからでいいんじゃないの? それとも別のなにかなのかな」


「さぁ……」


たしかに担任の先生は『6限は総合学習をする』と言っていた。


隣で話をするふたりの言ったとおり、進路のことを話すのはまだ気が早すぎる。


しかもまだ高校2年生になってから1か月がすぎたばかり。


なにをするんだろう。


頬杖をつきながらそんなことを考えた直後、前方のドアから担任の先生が慌ただしそうに入ってきた。


それと同時にクラスメイトの騒々しい声がピタリと止まった。
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