影と闇

☆☆☆

家を出てから15分。


予定どおり、青い橋近くの服屋の前に到着した。


服屋の前に着いたはいいものの、末那の姿が見あたらない。


しかも、周りからの視線が背中にチクチク刺さって痛い。


無理しておしゃれしてこなかったほうがよかったかも。


地味な私がおしゃれしようと試みても結局、地味子は地味子なまま。


末那や蘭子のような目立つ存在の子はどんなおしゃれをしても目立つ。


私もある意味目立っているんだろうな。


恥ずかしいから帰ろう。


大きくため息をつきながらそんなことを思っていると、うしろから声をかけられた。


「茅乃ちゃん?」


聞き覚えのあるその声にバッと振り向く。


この声は間違いなく末那だ。


うしろを振り向いてひと安心する。


「よかった、末那だ……」


あまりに安心したためか、思わずその場にへたり込んでしまいそうになる。


だけどここは多くの人が通っている。


座り込んで通行の邪魔をするわけにはいかない。


カクカクと震えていた足に力をみなぎらせ、グッと力強く立つ。
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