不完全美学

日が落ちる頃になると凪はちゃかちゃかと片付けを始める。

あたしのことなんかお構いなし。


「帰るの?」

「あぁ」

「明日また来ても良い?」


凪は顔をこちらに向けると、不思議そうに眉を寄せた。


「別にいいけど」


あたしはホッとして思わず頬を緩める。

凪は全く気にする様子もなく片付けを終わらせた。

相変わらず無愛想な凪だけど、相変わらずあたしを突き放したりしない様子はあたしを安心させた。
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