君の指先が囁いてる
それからの俺は小学、中学、高校と養護学校に行き何とか養護学校を卒業した


辛い事、泣きたい事が沢山あった


もちろん楽しい事も沢山あった


一番辛いって思ったのは世間の目だった

周りから聞こえてる声


『まだ若いのに可哀想』

とヒソヒソ聞こえて来た


聞こえないふりをする自分が居た


養護学校を卒業した俺は点字で小説を書き出した


俺は本が大好きで毎日、本を読んでいた


日が暮れても電気も付けずに本に夢中だった


良く母ちゃんに言われた


『翼、電気くらいつけろ、暗闇で本を読みながら笑ってるとブキミだよ』

『母ちゃん見えないんだから電気付けなくても同じだよ』


『同じじゃない、夜は電気を付けるもんだ』


今となれば懐かしい会話だ


本が大好きな俺が点字で小説を書くって言った時は母ちゃんは一言だけ言ってくれた


『翼、頑張れ!翼に出来る事をすれば良い』

それからの俺は色んな小説を読みだした

読んで小説のイロハを覚えるのに必死だった




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