私たちがバンドを続けられる理由
ある日のこと
「ここのギターのリフ!すっごい頭に残るし、めちゃくちゃかっこよくない?」


「うーん、確かにかっこいいけど、俺はドラムの方が気になるなぁ」



私の最近ハマっている曲を2人で聴きながら、意見を言い合う。

これは私たちにとってもバンドにとっても、とても大切な時間だ。



「Cメロのピアノのメロディー綺麗すぎない?すごくない?」


「うーん、確かに綺麗だけど、ちょっとうるさすぎないかなぁ。俺だったらもっと静かにしてしっとりした感じにするなぁ」



自分の感動したことが共有できないのは辛いけれど、率直に意見を言えるのは良いことだと思う。

お互いの納得した状態で曲作りが出来るからだ。



「えーじゃあ、ここの歌詞素敵じゃない?『こぼれるほどの愛』の『こぼれる』っていう言い回し、私好きだな」


「うーん、『こぼれる』ってちょっと省かれたみたいなニュアンス出ない?俺はあんまり好きになれないかも」



「それじゃあ、ここのオルガンは!?めっちゃ良い音じゃない!?」


「そんな取り立てて言うほどかなぁ。それだったら昨日一緒に聴いた曲の方が良い音じゃなかった?」


「そうだけど!!」
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