復讐をするまで忘れずに…
「そこからのことだが、まずは従業員の遺族たかに当たっていった。子供がダメなら大人を頼れ、だ」



そうか。でも、遺族にそんなことがわかるものなのか?



あの本川が遺族に会いに行くはずないだろうし。




しかも、消防署の方に火事のことを聞かれた時、私たちは誰も本川のことを口にしなかった。



だから、きっと本川が生きていると知れば警察とかに伝えるはずだ。




「でも、誰も知らなかった。それに、本川が生きているなんて誰も信じてなかった。死体はなかったそうだが、みんな、死んでいると信じてた。」




だろうな、とわたしは思った。




「次にあの日は、担当ではなかった、『天空』の従業員を探した。」




そうか。あと2人くらいいたはずだ。



あの日火事に合わなかった、先生たちが。




「生き残った人たちから聞くと、2人いることがわかった。でも片方の人は見つけられなかった。」




やっぱりそうだ。



どっちも名前は忘れちゃったが。



「片方は、住所まで特定できた。最初の方は、全く口を開かなかったけど、何度も押し行ったら教えてくれた。」




そんなに行くなんて。



先生たちにとっても辛かったのに。



同僚がみんな死んで、毎日のように一緒にいた子供達まで死んじゃったんだから。



「そこから、本川が今何しているか聞いてみた。」



知ってるわけないだろ。



私はそう思った。



しかし、違った。



「そいつは、意外にも本川と仲が良かったらしい。だから本川の居場所を教えてくれた。」



えっ?本川先生の居場所、知ってる先生もいたんだ。




私はそこに驚いた。
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