初夏猫
横たわった体に砂がかけられる。


もはやかすかに顔としっぽが砂から出ているだけだった。


真っ暗な砂浜で砂に埋まった黒猫は闇に溶け込んでしまって
その姿はほとんど見えない。


見えないワタシを踏まないようにギリギリを自転車で通る。


それが花火に飽きた(みんな)の新しい[遊び]

< 14 / 20 >

この作品をシェア

pagetop