ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「なんだそれ。それに、何か喋り方おかしいけど」


横でクッと肩を揺らして笑われるのが視界の端に映る。

更にいっぱいいっぱいになって、「察してください!」と、若干怒ったような口調で言い返してしまった。

鮎川先生は「あー、ごめんごめん」とそんな私をまた笑う。


「まぁ……今すぐ返事しろとか言わないからさ」


そう言った鮎川先生は、横から顔を近づけ私の顔を覗き込む。

接近した距離にあからさまにビクッと肩を震わせていた。


「でも俺、そんなに気が長いほうでもないから、早めに返事もらえる?」


そんな風に言われて、「わかり、ました……」とあからむ顔で答えていた。


< 45 / 121 >

この作品をシェア

pagetop