ワンコ系Drの熱烈アプローチ



仕事が終わり、優ちゃんと駅までの道を歩きながら見たスマホには、鮎川先生からのメッセージが入っていた。

【先週飲んだ駅前まで来られる?】

あの合コンの時の最寄り駅まで来てほしいというメッセージに、いつもとは逆方面行きの電車に乗り込んだ。


先週と同じ駅に向かっているのに、今日は気持ちがそわそわと落ち着かない。

さっきまで同じ場所で働いてた人とまた会うだけなのに、目的の駅に一駅ずつ近付くたびに緊張が高まっていた。

改札口が見えてくると、待っていた鮎川先生はすぐに見つかった。

黒い薄手のロングカーディガンに、ロールアップしたデニム。それに、足元はローカットのスニーカー。

本当に外で見るとドクターとは思えない風貌。

私がやってきたのを見つけた鮎川先生は、唇の端を上げて改札へと歩み寄ってきた。


「すみません、お待たせしました」

「早かったじゃん」

「そうですか?」

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