ワンコ系Drの熱烈アプローチ


歯科助手を始めてもう何年か経つけど、デンタルショーに行くのは初めてのこと。

存在は知っていたけど、自主的に行ってみようと思うことはなかった。


「下村ちゃん!」


会場の一角にあるコンビニの前で待ち合わせをしていた鮎川先生は、私が到着するより前に約束の場所に到着していた。

白のケーブルニットに細身の黒いパンツ。
ロールアップした足元にはスリッポンを履いている今日の鮎川先生。

シンプルながら素敵に見えるのは、元々持っている容姿と、その雰囲気があってのことだと思う。

全体的に冴えない男性が多い中で、鮎川先生は一際オシャレで存在感を発していた。

知らない人が見れば、ドクターではなく歯大生に見えてしまいそうだ。


「すみません、お待たせしちゃって」

「待ってないよ、俺も来たばっかだから」

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