好きって言えよ、バカ。
「蓮くんが器用すぎるんだ……」
私は不器用で、全然上手くいかない。
「なんか言ったか?」
「ううん、なんも」
素直に言ったって、また蓮くんにバカにされるだけだ。
それでもやっていくうちに少しずつ慣れてきたのか、まだマシなものが出来上がった。
3分の2個くらいは、蓮くんが作ったものだけど。
「ただいま〜」
葵くんたちが帰ってきたのは、ちょうど餃子を焼き始めた頃だった。
「んー、いい匂い!今日は餃子?」
「あっ、葵くんおかえりなさい!夕飯よくわかったね」
「玄関まで美味しそうな匂いが漂ってたからね」
「雅さんも!おかえりなさい」
葵くんと雅さんは、ちょうど駅で会ったらしく一緒に帰ってきた。