好きって言えよ、バカ。
ちらりと横にいた瞳を見て訴えかけるけれど、当の本人はニヤニヤと笑って私を見ているだけ。
……瞳の裏切り者ーっ!
いや、元々あれだね。
私の状況を聞いて楽しんでいた、あっち側の人間だったね。
「昨日約束したのに、もう忘れたの?」
「へっ?……い、いやぁー何のことですかね?ひ、人違いなんじゃないでしょうか……」
ここは、知らない振り。
ただ、たまたま声をかけられたのが私。
単なる雅さんの人違い。
必死にこの状況から逃れようと、逃げ道を探る。
……でも
「忘れたとは言わせないよ。ほら、行くよ」
「え、あっ、ちょっと!」
た、助けて……
終わりだ、私の高校生活が。
そのまま私は、たくさんの人に囲まれた中、雅さんに連れ出されてしまった。