好きって言えよ、バカ。
「2名様ですね。はい、こちら入場券になります」
チケット売り場で入場券を購入して、一緒に水族館の中へと入る。
「雅さん、お金……」
「今日は絃ちゃんが頑張ったご褒美なんだし、気にしなくていいから」
雅さん……なんて優しいのですか。
やっぱり、雅さんは紳士です。
それにしても、人でいっぱいだ。
それもそう、今日は土曜日。
家族連れや、カップルも多い。
……私たちって何に属するんだろう?
カップルでもないし、友達でもない。
「ほら」
「えっ?」
すっと繋がれた私の右手と、雅さんの左手。
触れ合うその部分が、熱を帯びる。
雅さんには、腕を引かれたことは何度があったけれど、手を繋いだのはこれが初めて。
男の人の手って、こんなに大きいんだ。
私の手をすっぽり包んでしまうその手は、とても大きく感じた。