好きって言えよ、バカ。




「別に人の寝込み襲わねぇよ」



昨日の夕飯前、昼寝していた私にキスしてきたのはどこの誰だか。



夜の優しく私の背中をさすってくれていた蓮くんはどこへ消えてしまったんだろう。



そう思いながら、キッと蓮くんを睨んだ。



「そんなに俺にキスしてほしいの?」



「はぁ?そんなわけないでしょ!?早く部屋から出てってよ」



蓮くんが変なことを言い始めるから、近くにあったクッションを鷲掴みにして、蓮くんの顔めがけて投げる。



……が、しかし。



運動神経も抜群な蓮くんは、顔に当たる前に片手でキャッチした。



「っあぶねぇな。なんで出ていかなきゃなんねんだよ」



……そ、そんなこと、当たり前じゃない。



「着替えるからよ!この、変態っ!!」



この、バカ、アホ、ド変態っ!!



何とか蓮くんを追い出すことに成功し、着替えを済ませることが出来た。



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