契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
「…で、最近先生とはどうなの?」

一通り品定めが済んだあと、課長が身を乗り出して尋ねる。

昼休みでも仕事の話ばかりしている栄養課の事務室では、あまり新婚生活について聞かれることもなかったけど、みんな気になっていたらしい。

「えっと…仲良くしてますよ」

「う~んいいわねえ」

女性陣は口元を緩ませながらただ唸る。

「先生かなり忙しいでしょうけど、家事とか手伝ってくれるんですか?」

独身の小沼さんも興味津々の様子。

「早く帰った日は洗い物とかしてくれますよ」

「う~~ん」

答えるたびに、最後にハートマークが飛んでそうな唸り声があがる。

「顔だけじゃなくて中身もイケメンだったんですねえ。
女嫌いなんてどこから出た噂だったのかなあ」

「え?女嫌いはそのままなんでしょ? 
相沢さんのことだけが好きなのよ~幸せね」

課長が大袈裟に茶化すから、私は「ははっ」と愛想笑いをしてみせた。

< 100 / 175 >

この作品をシェア

pagetop