契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
私が引っ越してくるにあたって、悠さんのベッドはセミダブルからキングサイズのものに変わった。

もちろん夫婦で一緒に眠るためだ。

昨夜は夕食の直後、悠さんはオンコールの呼び出しで朝方まで帰ってこなくて、私はひとりここで眠ったけど…

今日からは同じベッドで一緒に眠ることになる。

ハグやキスが普通なら、もちろんその先だって…

ドキドキしながらベッドを見つめる私の心中を察したのか、悠さんはクスリと笑う。

「男は本能で動く生き物だけど、女性は好きな人とするからこそ意味があるものだろ?
だからセックスはしなくていい。一緒に眠るだけだ」

「え…」

「男としての本音は別として、凛の気持ちを尊重したい」

…私は別に嫌じゃない。

恋愛感情とは違うけど、ちゃんと悠さんに好意を持っているんだから、いいのに。

仮にも夫婦なんだし…

でも悠さんがそう言うんだから、わざわざそんなことを主張するのも恥ずかしくて、素直にこくりと頷いた。


悠さんはベッドに横になると、隣で横になった私の髪をなでながら、額にキスをしてから離れた。

「おやすみ」

「…おやすみなさい」

初めて一緒に眠るベッド。

真ん中には、少しだけ距離を置いて。

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